掌編小説 一覧

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夏、鎌倉へ行った時のこと。昼にオムライスのおいしいとされるカフェに入った。そのカフェは何年も続いていた老舗のカフェらしく、アンティーク調の家...

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自動販売機

今からだいたい15年ぐらい前の事になるけれど、世界の見方を変えてくれたとある自動販売機があった。その自動販売機は僕が通っていた大学の体育館の...

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老い

サイドからセンタリングが上がって、マークを外した彼はフリーでゴール前に飛び込んだ。足を伸ばしたその足先のわずか少し先ををサッカーボールがすん...

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パン屋

街の中で、歩みを止めてパン屋に入る。まだ午後も早い時間。店に入るなり、すぐに香ばしい匂いが鼻をよぎる。クロワッサンとコーンの乗ったパンをトレ...

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知らない人から声をかけられる

今でこそ、坊主頭になって町中で誰も話しかけては来なくなったけれど、以前は町中で誰彼となく知らない人から声をかけられる事が多かった。どういった...

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まとう

今、僕の目の前に座る理想の女性について話そう。彼女は大学が運営する大きな図書館の1階から4階までの、吹き抜けに面した4階の席に座り本を読んで...

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建てる

以前、軒先にケーブルテレビ用の補強ポールを建てる仕事をしていた人に会った。彼の名前は内藤さんといって、個人宅にケーブルテレビを導入する際に、...

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すきま

駅のフォームで電車のすきまに私はハンドバックを落とす。すぐさま、青と黄色のマジックハンドを持った駅員が駆け寄って、落としたハンドバックを拾お...

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ミステリー

まずは私の自己紹介をしよう私はジークフロイド・フォン・クリストフ樣のお屋敷を取り仕切る執事のクロイツェルと言う。私はこの界隈、特にフィネガン...

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スパーク

視聴率挽回を狙って、テレビ局が画期的なチューナーを秘密裏に開発したという噂が流れる。噂を聞きつけ、僕はネットの闇ルートから、数十万円はたいて...

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学生の時に出会った、ある女の子は自分の好きな時に涙を流す事ができる才能を持っていた。それはまったく素晴らしい才能だった。いついかなる時でも、...

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湯気

湯気にあてられて、ふらふらとドアから外に彷徨う。夜空は分厚い雲に覆われ、月はいくばくも地上を照らしてはいない。遠くから太鼓の音が聴こえ、私は...

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電球

ここ1ヶ月で家の中の電球が立て続けに切れた。一つ目はリビングのテーブルに上につけていたメインでつけている明かり、エジソン電球復刻版というわり...

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立ち往生

街の中心のある横断歩道で大きな事故が起こり、駅へと向かうバスが渋滞で立ち往生する。いつもなら自転車に乗って駅へ行くのだが、朝、雨が降っていた...

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もようがえ

主人には内緒なんですけど、今度部屋のもようがえをするときに一緒に捨てる事にしました。そうです、階段の真ん中にあるつや消し銀のフレームにはいっ...

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お米

むかしむかし、スーパーマッケットでは抽選会なるものが頻繁に行なわれていた。今だとコーヒーを飲むと缶にシールがはられていて、それを集めてはがき...

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工事現場

駅から南へ15分程歩き、街一番の商店街を抜けて、そこから交差点を渡って3件目の大通りに面した場所に、ぽっかりとその工事現場はあった。突然現れ...

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困ったことに・・

困ったことに、私の飼っている乳牛が買い物から戻ってこない。乳牛はここ数日は可哀想なことにいささか不調だった。不調がゆえに朝ミルクを絞る事が出...

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