たまにはこんな日もある。「京都文学賞」の優秀賞をいただきました。

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「おりこのさん、こういう賞があるんだけど、出してみない?」とオーバさんに京都文学賞をお勧めされたのが去年の夏頃、それならと、ちょうどラブコメみたいなものを書いていたので、〆切までに完成させるつもりで頑張っていたのですが、舞台が何故か神戸に向かい、あっという間に京都じゃなくなりました。あかん、これは無理かも・・・と思っていた所に、そう言えば京都を舞台にした小説があるじゃないと思いだしたのが、受賞作となった「十七回目の出来事」でした。

第3回京都文学賞 結果

この小説は、自主映画「家路」に登場する精神科のお医者さんを主人公にした小説です。受賞コメントにも書いていますが撮影で痛恨のミスをしたのがきっかけです。クスノキさん・・エキストラでも入ってますよね・・。ミスだと思っていたら、それがミスにならないこの不思議。映画の設定年が2004年で、小説はそこから20年前の設定となり1984年~1988年ぐらいの話です。

小説では、映画で描いていない現象が起きた時の事を書いています。映画の内容とは設定が少し(だいぶかも)違っている上に、規模も大きくなりました。ぐんぐんページが増えて予想外の展開になって書いていた自分もびっくり。完成したらWebなり、なんなりで公開するつもりでしたが、何となく「まだ、それやってんの?」と言われそうなので、「まちのこしプロジェクト」の数名の方にしか見せていない小説でした。

11月の1次選考に残り「あれ?これ、いけるかも」と思い始め、今年1月発表の二次選考も通過。「まじか・・本当にいけるかも」と確信。最終選考は2月中旬頃ですと封書で通知され、ドキドキして待っていたのですが、2月中旬の最終日である20日を過ぎても連絡がない。

これは「落ちたか」と無念な気持ちでいました。こういう時の「当選カン」、略して「アタリカン」は外れたことがないので、意外だと思っていた所、メールのゴミ箱に「優秀賞です」とメールが届いているのを発見しました。そうか、昨今の連絡って電話じゃないんですね。

そういうわけで、ヤッターという感じでもなく、ご飯食べてパソコンで仕事していたらメール発見。で、クリック。僕「あ、どうやら優秀賞らしいよ、銀メダルやわ」と他人事みたいにぼそっと。横にいた妻が「へぇーそうなん、よかったやん」ぐらいの盛り上がりに欠ける瞬間でした。それはもう「明日の日替わり、好物のアジフライやわ」妻「へぇーそうなん、よかったやん」ぐらいの自らのインパクトの薄さ。

そこで何とか嬉しさを高めようと、息子に「ちーたん(僕のこと)は、文学賞というものをもらえる」と文学賞について説明すると「え、何で?ちーたん、字汚いのに」と息子。君に言われたくないわ!というコメントもいただきました。ありがとうございます。

さらに気持ちを高めるために、まちのこしメンバーに伝えたら、グループ電話でお祝いしてくれました。

ところで、解説を忘れていますが「京都文学賞」は今回で3回目の開催となる京都の文学賞です。文学の更なる振興や「文化都市・京都」の発信等に寄与するため、京都市と京都新聞が主体となって運営されている新しい文学賞です。第3回の最終選考委員は、いしいしんじさん、井上荒野さん、校條剛さんという面々で、お三方ともいうなれば専門家です。この文学賞は名前の通り京都が舞台であることが条件で、ジャンル縛りなし。で、特徴的なのが二次審査を公募の一般の方に全て委ねていること。

これは近年の小説投稿サイトの読者ランキングを参考にしたそうで、なかなか面白いシステムです。暖かな励ましと容赦ない批評が同居する寸評をいただける、二次選考が一番怖いかもしれない文学賞です。

参考までに寸評(抜粋)を
京都文学賞 第3回寸評

ちなみに、言ったように「優秀賞」は、いわば銀メダルです。最優秀賞作は佐藤 薫乃さんの「備忘六」です。彼女の作品が金メダルになります。おめでとうございます。授賞式のスピーチも自分が学生の頃を思い出したり、保護者みたいな気持ちになって感動しました。最優秀賞は書籍化が確定しているので、書店でゲットして読める日も近いと思われます。希望を言うと、最終選考に残った方々は、オーディション番組気分で勝手に知人だと思い込んでいますので、全て冊子みたいになって読めたらいいのにと思わんでもないです。

残念ながら「優秀賞」は副賞としての書籍化の確定はありません。書籍化を検討してくれるという話もありますが、どうなんでしょうか。この受賞の件で、地元の長谷川書店に自慢しに行くと「良いですね、ぜひ本にして持ってきてください」と言われ嬉しくなったり、知り合いで読んでみたいと言ってくれる方もいますので、期待したいところですが、だめなら自力出版も考えます。

まともに何か書けるようになるまで15年ぐらい、一度は諦めてしまって5年、再開して何かしら結果がでるまでさらに5年。いつの間にか自分に才能があるかどうか全然気にしなくなり、その分しつこさだけは折り紙つきになりました。

もちろん結果(賞)のために書いているわけではないのですが、選考の過程で読んでもらえた事、この先、書いたものを読んでもらえる可能性が高まるという事が何よりうれしいです。僕は既にいい年ですが「君は、まだ書き続けていいから」と言われたような気がします。「続けていいよ、がんばれ」と。

選考に携わってくださったスタッフの方、選考委員の方、実行委員会の方、どうもありがとうございました。こんなに褒めてもらったのは生まれて初めてなんじゃないかと思える、いしいしんじさんの講評。一緒に行った息子に「お父さんの小説はかっこいい」とのコメントもいただきました。もうコメント額縁入り確定です。厳しい意見をくださった井上荒野さん、校條剛さんにも感謝です。もちろん公募の選考委員の方々にも。納得できる箇所は書き直しをして、よりよく仕上げたいと思います。

受賞式は最初は参加される方の肩書にびびっていましたが、ものすごくアットホームな雰囲気で、ただただ楽しかったです。
なかなか面白い経験ができました。

でも、やっぱり嬉しさは半分です。もっと晴れやかな気持ちでいたいのですが、ついウクライナの事を考えてしまいます。隣国からミサイルも飛んでくるし、正気を保つのが難しい日々です。

抗うウクライナの人達や、ロシア国内に留まり反戦活動を続ける人達に有り難うと言いたい。彼らの言葉を読んだり、動画を見るたびに感謝の気持ちが起きます。僕が今日、正気のまま授賞式にでられたのも彼らのおかげです。募金ぐらいしかできませんが、出来ることを探して支援したいと思います。

話がそれましたが、いずれにせよ僕はまだ銀メダル。この間、新型コロナにかかって寝込んだけれど、幸福な事にちゃんと生きています。そしてたまにはこういう楽しい日もある。小説を仕上げたり、次作を書いて披露するチャンスもある。それを大事にしたいと、改めてそう思っています。京都文学賞に応募して本当に良かったです。

なお「字が汚くても大丈夫、大人はパソコンを使うから関係ないのだよ」と息子には教えておきました。「自筆で書いた方がカッコいいからちゃんと、宿題の漢字の書き取りはしなさいね」とも伝えときました。その方がいいよね。

京都文学賞は第4回目も開催するそうです。告知は6月以降から。興味のある方はぜひご応募を。京都が舞台であれば何でもOK。プロ・アマも関係なしだそうです。僕がそうだったように、またとない経験ができるかもしれません。

京都文学賞

関連:映画 家路 ON THE WAY HOME
DOKUSOにて、家路 ON THE WAY HOME

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