「しまもとのもと」
今年の春は心理的にボロボロでした。
息子が巻き込まれた第2幼稚園閉園・民営化問題から、JR島本駅西側の開発計画見直しの署名活動参加、第4保育園耐震問題(直接は関係ないのですが、首を突っこんでいました)を通して、心理的な疲労が蓄積しそれが一気に襲ってきました。
良い結果になっていれば、心のハリも出そうなものですが、連戦連敗といった具合でついにエネルギーが枯渇したようです。ずっと気持ちを支えていたのは行政に対する怒りでしたが、怒りというものは長続きしません。
「私は怒る時は激しく怒るが、いつまでも怒ってはいない」などとフィリップ・マーロウぶったセリフを吐いていましたが、実の所はただの疲労です。日常生活にも影響を与える、ただひたすらの無力感。今もそれは抜けていません。
そこで「しまもとのもと」という企画を始めることにしました。
「しまもとのもと」という企画は、島本町の良い所を写真や動画などで撮影していただき、各自のSNSで投稿していただいて、それをまとめてみようという企画です。
この企画を検討したきっかけが2つあります。
ちょうど春に、別の町で同じように行政の理不尽さに振り回されて、それに対して反対活動をされていた方と話をすることがありました。
その方の活動も最後は負けてしまったそうですが、結果には納得していると話されていました。どうしてですか?と聞くと、聞き入れてもらえる部分が多くあったし、そこは正しさが認められた。何より活動そのものが楽しかった。ミニコンサートをしたり、お菓子を食べたり、しんどくならないようにしていたんですと。
そして、その活動を通して知り合った仲間がいて、イベントを行ったり、今も別の企画を立てているからだと。
僕は、今は全く楽しくありません。そして表情が暗いと言われますと伝えました。すると、もっと面白い事をした方がいいんじゃないとアドバイスをくれました。そして彼女は笑いながら「しまもとのもと」なんてどう?と。
このネーミングは彼女の発案です。島本町のルーツをたどってみれば?きっと面白いよと、それが彼女のアドバイスでした。
そして、もう1点、これは僕のヒーローであるアメリカの作家、ポール・オースターが1999年から2001年にかけて行った「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」に、やや似ているからです。ラジオ番組「National Story Project」のホストを自ら務め、全米から5000ものストーリーが集まり、オースター自身がすべてに目を通し、選び、そしてラジオで朗読しました。
選ばれた180の話は、本にもなり、翻訳もされ、本人の声でCDとしても発売されました。「I never intended to do this.The National Story Project came about by accident~]と始まる朗読CDを当時は毎日聞いたものです。
島本町という比較的小さな自治体でもあるし、僕は全くもってオースターではないし、ストーリーではなく写真が中心の企画ですが、これは面白い事ができるのではないかと直感しました。
今日から「しまもとのもと」を始めます。
以下に告知分を掲載します。みなさまの参加をお待ちしております。
しまもとのもとを始めた理由
大阪と京都の狭間、大阪府島本町。
私たちが住んでいる島本町。
今、この町のあちこちで開発が進んでいます。
どこか時間が止まったような場所だったはずが、もうそうではありません。
山が高い建物に遮られ、味のある家が消えていき、古い木が何本も切られ、豊かだった田畑も加速度的に無くなっていっています。
その様変わりに耐えられず、つい目を背けてしまう時もあります。
先日、ある方が尋ねました。 「島本町ってどんな町なの?どんな所?そこまで愛着を持った場所は、どんな場所なの?」
そう聞かれる時、 答えはだいたいいつも同じです。 「便利なのに自然がまだ残っていて、住みやすくて、何もないけど良い所」 でもその時は少し違った風に考えていました。
自然が残っていると言うけれど、それが意味するものって本当は何なんだろう。住みやすいって、何もないってどういうことだろうか。
自然だったら他の町にもある。じゃあ他の町と何が違うのか。島本町を形作っているものっていったい何だ。
何もないともいわれる町。でも豊富にあるもの。
青葉、江川、大沢、桜井、尺代、高浜、東大寺、広瀬、水無瀬、百山、若山台、山崎。
子供の頃から知っているお気に入りの場所。立ち寄ってここに住むことに決めた理由。
自分たちがどんな所に住み、何を大事にしているのか、いったい何を守りたいのか。 過渡期の今、それをもう一度考えてみたいと思ったのです。
一人一人には、それぞれに思い入れの場所や日常や風景があるはずです。
もし、それが具体的にたくさん集まれば、島本町という所がどんな所なのか、何が「もと」になっているのかが見えてくるのではないかと考えているのです。
「しまもとのもと」というのはそういう企画です。
写真、映像、文章、絵、音で、島本町のもとになっているものを探ります。
参加する方法は簡単です。島本町に関連するお気に入りの場所や風景を写真に撮ってSNSで投稿してください。島本町に関心のある方、どなたでも、 何でもかまいません。思い入れのある写真を見せて下さい。文章を書いてください。絵を描いてください。映像を撮ってください。 それを投稿してください。
私たちが見つけ次第、それをホームページなどで公開して見えるようにして行きます。
ハッシュタグは#しまもとのもと
「しまもとのもと」関連のアカウントは下記です。
instagram:・・・・ https://www.instagram.com/shimamotonomoto/
facebook:・・・・・ https://www.facebook.com/shimamotonomoto/
twitter・・・・・https://twitter.com/shimamotonomoto/
HP:・・・・・・ https://shima-moto.info/
メールアドレス:shimamotonomoto@gmail.com
そして良ければ教えてください。 あなたが島本町の何が素晴らしいと思っているのかを。 心が動いた場所や、ときめく出来事を伝えて欲しいと思います。
島本町在住 折小野 和広