もしも私になにかできることあれば 後編

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「住民を満足させるためだけに、手厚いサービスをするというのは違う。行政にとって住民はお客様である反面、町を作る主体でもある。町民が参加する・町民と実行する、そして、町民が自分たちで町を作っているんだという誇りや達成感が住民の間で共感を呼び、満足につながるものだと考えている。」春の公開討論会にて選挙中の現山田町長の話。
しまもと町民の会より引用

 

みんなの生の意見を集めて、役場に行って直接話をしようと考えた時点で、もう個人でやれる限界に近付いてきていました。これはもうはっきりとした政治参加です。政治苦手なのに。市民の政治参加は言葉上では常々そう有るべきで、そうしたいと思っていましたが、実際にこうやって巻き込まれる形で参加する状態になってみると、並大抵の負担ではありません。

 

折家は基本的に二幼で息子を卒園させてやりたいという気持ちがあります。だから最低でも卒園まで二幼を存続する2案を推しています。ところがみんなの意見を集める事は、自分の考えと対立する意見を集める事をも意味していました。幼稚園内で、送り迎えで、バス亭で、話題と言えばこの話。家に帰ればLineやメッセージでこの話。そこから読み取れるのは、息子が所属するりす組(4歳児クラス)の中でも今年度で閉園する1案とその翌年の2案、さらに別の案で意見が確実に割れるという印象でした。

 

1案を選ぶ方は、半ば脅しのように耐震の話が改めて突き付けられたのと、人数減による幼稚園の運営がなりたたくなって楽しいイベントが開催できないのではという不安からきています。本当は二幼を出たいわけではない。
 

それでも正しい事をしようという考えのもと、9月15日(金)にもっとも今回の件で影響があるりす組(4歳児クラス)と入園希望者に連絡を取り、集まってもらう事にしました。来てくれる人がいれば、そこで話をまとめて意見として持っていこうと。
 

でも、家に帰るとうちのPuoが、絶対りす組全員の20人分は集める。頭を下げてでも全員分を集めると言いきってきました。
そうでないと意味がないからと。
 

瞬間的にそれは、ものすごい労力になるから止めよう。絶対に反発があるからと反対しました。
もう我々は十分頑張った。会に来てくれる人の意見だけでいいじゃないかと。意見を言う事ができる機会は作ったんだから。後はそれぞれの選択の自由だよ。
 

でも彼女はいつも正しい。だいたい正しい。まげない。
大変だけどサポートするしかない。自分たちと違う意見でも説得は一切せずそのまま持っていこうと。
 

9月15日は、午前中はまず役場に行き、戸田議員の計らいで教育部長と直接話が出来、今まで集めてきた情報が間違っていない事を確認しました。まだ案は決定ではないこと。これからも意見を聞くつもりあること。9月末にはもう案を決めたいこと。
 
そしてちょうど町議会で幼稚園の話が出るかもしれないタイミングだったので、1時間ほど傍聴。初傍聴。国会のイメージがあるので部屋が階段になっていて広い議会をイメージしましたが島本町の議会は狭いです。臨場感抜群。ついでに議会ウォチャーの岡さんにも出くわしました。さらに心ある議員さんがうまく幼稚園の話を盛り込んでくれました。
 

紆余曲折はありましたが、午後からの会には園児16名分の保護者さんが来てくれ、残りの4園児分の保護者さんの意見も後日Lineなどで集めることができました。今だから言えますが、20年の付き合いの中であんなに泣いて苦しんでいるPuoを見たのは初めてでした。後は全部やるからもう変わろうと言っても、それだけは固辞していました。立派だったよ。君は。
 

翌週20日には教育委員会の部長さんと次長さんと課長さんが対応してくれて、集めた意見を直接渡しました。言いたかった事も全部そこで。あなた方がこれを6月にやるべきだったんですよと。また議長宛てに嘆願書のような形で提出。戸田議員と中田みどり議員、かわの恵子議員にも直接話が出来ました。お会いした3名は、こちらが恐縮するぐらい丁寧に対応してくれました。

 

もうヘロヘロになっていて、議長宛ての書面を出すとき、担当の方のやる気が有りすぎてこちらの思考が付いていけなくなったのも、なかなかの思い出です。トータルで思っていますが、役場の方は基本的にやる気満々だと思います。そもそも敵ではないんですよ彼らは。
 

9月22日には、幼稚園で2回目の懇談会。この会はアンケートを集められた方が中心に開かれる事になり限界が来ていた折家は不参加でした。閉園は受け入れるが二幼を二幼のまま残すという条件でという話をしたそうです。平行線だったそうです。
 

 
この幼稚園の問題の最中に、あるお母さんと知り合いになりました。あまり接点のない保護者の方との間を取り持ってくれた方です。とても静かに話をするし、いっけん目立たない感じのお母さん。でも話している時はすごく一所懸命に話を聞いてくれます。その時に目は逸らさない。自分のリズムで話をして、言葉に力がある。この人には絶対に嘘をついたりしたらいけないと思わせる方です。一目でとても信頼できる人だと思いました。
 

彼女は9月28日の町長を交えた会で、町長を見つめながら言いました「予算がないことや待機児童が大変な事も分かってる。でも今回の事で、りす組の園児20人は転園する人が出てバラバラになると思います。いつかは建物の立て直しが必要なのもわかる。でもどうして今私たちが?それはやはり納得できないままです、でも決めようと毎日考えているんです」
 

子供はどこでも順応できるから、幼稚園を移動するぐらい対した事がないと思っている人がいるなら同じ立場になってみて欲しい。
 

耐震の問題はあるけれど、相当考えた上でそれを飲み込んで子供を通わせた思い入れのある場所。毎日子供と過ごして、子供の事ばかり考えて、子供の安全と良い教育を考えて、どうやったら楽しく過ごさせてやれるかを考えている保護者のことを。友達と別れさせる事になるのを子供に伝える辛さを。お母さん同士の友情も。
 

個人的には、もう第二幼稚園を閉めるのは受け入れています。話し合いでぎりぎりまで検討してくれたと聞いています。町がいったん民間認定こども園の事もリセットしてくれた事も、凄く評価しています。資料に書いてあるその文言を見て泣くぐらい嬉しかったです。だからもう話を進めて欲しい。
 

そして、閉園した後に建つものは少なくとも今より素晴らしい施設にするという気迫を見せて欲しい。お金ない、待機児童が増える、補助金が出るからとか、そういう数字の話からではなく、タウンミーティングを開く時は、理想から語ってください。こういう園が望ましいと。その後で予算。事例を捜したりする時間は十分にあります。僕もなにかできることあればもちろん参加します。
 

今回の件に関わる方全てに、受け入れられない事を、なんとか受け入れようとしている人がいた事を忘れないで欲しいと思います。

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