The Brooklyn Follies ポール・オースター

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そのストーリーが本当に起こった事であればどういった内容でもかまわないという、ポールオースターがラジオ番組 で始めた企画「National Story Project」は毎週視聴者からの紹介しきれない程の応募があり、成り行き任せで始めたオースター本人ですら驚いたそうだ。その成果は「I thought my father was god」という本になって出版されている。

 

2005年に出版されたこの「The Brooklyn Follies」は癌を患った孤独なちょうど団塊の世代ぐらいの男が死ぬためにニューヨークへ来るという話で、完全にフィクションではあるものの、どこかnational story projectの延長線上にあるように感じた。章仕立てで語られるエピソードがそれぞれ方向性を与えられず、生まれてはただどこかに消えていく、というより見えなくなる。そんな風に感じた。アメリカのどこかで実際に起こっているような感覚だ。

 

意図的にオースターがそうしているのかは分からないが、おかげでこの小説がフィクションとはわかっていながらも不思議な現実感を持つことになった。 特にラスト2ページの誰もが知っている強力なエピソードの挿入は、たった2ページながらもこの小説全体に強い現実感と自分が生きて、ここで呼吸している事を思い起こさせた。

 

どちらかというと暗い終わり方をしていたオースターの作品だったけれど、最近の小説は読むと元気がでる。

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