交換教授 デヴィッド・ロッジ

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学生の頃、なんとなく履修した英米文学演習の授業で、教科書になっていたのがこのデヴィッド・ロッジの書いた「小説の技巧」 という本だった。この本は各章ごとに作品の一部と、その小説で使われている技法を紹介していくもので、例えば「意識の流れ」とか「内的独白」といった耳慣れない文学技術用語を平明に解説してくれている優れものであった。作家ホーソンやポールオースターといった現代作家まで網羅しており、結構すごい本だった。

 

この作家の代表作と言われているのがこの「交換教授」なのだが、この本の触れ込みが爆笑を誘うコミックノベルとの事だった。コミックノベルと言ってしまうと安っぽく感じるが、読んでみればこのデヴィッド・ロッジという作家が相当なテクニシャンであることがすぐに分かる。学生闘争を背景に当時のイギリスとアメリカの文化の比較や、人生の悲哀、そして複雑なロマンス。もちろんコミックノベルの名に恥じない笑える箇所がたくさんある。

 

中でも英米文学の教授達が集まって食事を楽しみながら行う「屈辱」というゲームが出てくるくだりが、かなりおもしろい。ゲームのルールは単純で、自分が読んでいない本を皆に宣言し、もしその本を他の人が読んでいればその人数分だけ得点になるというゲームである。

 

ルールを考えると、本が有名であればあるほど高得点を狙えることになるので、酔っぱらい気味の英米教授達は競って自らの恥をさらしていく。皆、恥をさらすのは嫌だけれど、負けるのはもっと嫌なのだ。やがてヒートアップしたある教授が「ハムレット」と答えて、場は妙な雰囲気になる。おもしろくない冗談だと場は白けてしまうが、言った本人は真剣そのものである。絶対に俺は「ハムレット」を読んでいないと宣言して激怒して帰ってしまうのである。その辺のやりとりがめちゃおもろい。このあと後日談があるのだけれど、それは実際に作品を読んで確認してみてください。

この「屈辱」というゲームは結構おもしろいなと思っていので、僕の奥さんとやってみることにした。もちろん小説を読んでいる量に差があるので映画に置き換えて。僕が幸先良く「ロッキー」で得点を得ると、「ダイハード」で逆襲をくらった。しばらく考えた末に必殺の「プリティウーマン」で逃げ切ってぎりぎりの勝利である。昔は、お互い映画サークルに属していてそれなりに映画に詳しいと思っていたわけで、ゲームをやっている時は良いものの、どうやら後で若干後悔をするようである。

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