2018年度 面白かった小説 10冊 (気が早いver)

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2018年度面白かった小説を発表する季節がやってきました。

まだ今年は2か月以上ありますが、10月27日と28日に地元の島本町で第5回「ひと箱古本市」が開催されるため、コラボ発表です。いやスタッフとかでは全然ないのですが。勝手にコラボです。

去年も「ひと箱古本市」は11月開催で、11月に発表だったので、まぁいいやという感じです。
2018年度と言っていますが、例によって今年発売でない本も含まれています。
では行ってみます。

1、地図になかった世界 / エドワード・ P ・ジョーンズ

1855年、ヴァージニア州に黒人奴隷を所有する黒人がいたという話。
ピュリツァー賞、全米批評家協会賞、国際IMPACダブリン文学賞など受賞多数。

昨年末に緑地公園近くのblackbird booksさんで開催された朗読会にて、翻訳家の柴田さんが読んでくれたエドワード・ P ・ジョーンズの短編が素晴らしかった(タイトルは忘れました・・)のと、「旧約聖書のように壮大」で、今世紀でこれまで書かれた本では最高のものという評価があったのでこれはもう読むしかないと購入。

なぜか今年は奴隷と南北戦争の話ばっかり読んでいましたが、それぞれ個性的でした。大量の登場人物と時間の移動。叙事詩とか歴史書みたいです。後でフィクションと聞いて驚いたぐらいです。長い本で、途中なんども辛い気持ちで読み続けたものの、最後の数ページで感情が一気に開放されます。ボレロとかそういうタイプの音楽を聴いているようで、なぜこんなに感動するのかうまく言えない本です。

2、地下鉄道 / コルソン・ ホワイトヘッド

奴隷黒人を南部から北部へ、可能であればカナダにまで逃がす組織のことを当時、「地下鉄道」と言っていたそうで、この本は、もし本当に逃亡のための鉄道網が地下に引かれていたら?という話。「地図になかった世界」と接点があるものの、リズムや声がこの本の方がスリリングです。

ファンタジーの要素もあり、その辺は軽めですが、書かれていることは重くて悲惨です。奴隷狩り人リッジウェイの追跡からの逃走など、映画的なハラハラドキドキ要素もあります。良くも悪くも近年のアメリカの小説のごった煮という印象もあります。映画化したみたいですね。

3、ネバーホーム / レアード・ハント

あいも変わらず美しい文章で溜息が出まくり。翻訳が素晴らしいです。この作品はいわゆる「信頼できない語り手」を使った作品で、女が偽装して兵士となって南北戦争に行く話。それにしても、なぜこんなにせつない気持ちになるのか。

同時期に「英文創作教室 Writing Your Own Stories」というレアードハントが講義をした本も出ましたが、全く歯が立たず撤退です。いつか何とかしたい。ちなみに「ネバーホーム」という英単語は存在していません。

4、ドゥームズデイ・ブック / コニー・ウィリス

「いいかよく聞け、コニー。もしアグネスを殺すようなプロットを書いたらお前を殺してやる!」と、本当に呟いた事があるほどののめり込んだ本。コニー・ウィリスが書いたタイムトラベルものの最初の長編で、出たのはもう10年以上前。

まさか「航路」の他に、同じクラスの本を書いているとは思わなかった。読んで慟哭しました。これを読まずにコニー・ウィリスファンを名乗っていたのが恥ずかしい。

上巻はかなりゆっくり進みます。あんまりにも何も起きないので1年ぐらいダラダラ読んで、下巻は1日でした。下巻一気読み。圧倒的な終盤、身体に重くのしかかる身動き1つ取れない緊張と衝撃と、その後の心の震え。紛れもなく傑作中の傑作、一生忘れないです。中世イングランドの村に雪が降っているのが本当に見えるよう。

5、ワインズバーグ、オハイオ / シャーウッド・アンダーソン

読んでみたいけど、手に入らなかった代表その1がついに復刻。タイトルからして名作。数々の作家に影響を与えた本として有名だったものの、廃盤。が、ついに復刊。架空の町ワインズバーグという町を舞台にそこに住む人々を描く作品です。長編扱いですが、実質短編集です。ものすごく地味ですが、一つ一つの話に巧いとうなれます。後の短編小説への絶大な影響を見ることが出来ました。

6、アンダー・ザ・ドーム スティーヴン ・キング

今年も読むぞ!スティーブンキング。読んでも読んでも新作がでるね。もう。追いつけないです。今回選んだのはアンダー・ザ・ドーム。町がある日透明なドームに覆われるという、そもそものアイデア自体は、まぁよくあるかなという感じですが、出てくる人の数と、いけるとこまでいくぞという爆発力が違います。さすが物が違うという感想です。ラブだ、スティーブン。

7、アルカディア トム・ストッパード

カッコイイし、知的だし、笑えるし、それでいて取っ付きやすいという、文句のつけようのないイギリスの劇作家トム・ストッパードの作品。これは戯曲です。「恋に落ちたシェイクスピア」の作者だと言ったら分るでしょうか。言葉遊びやら、細かい仕掛けが織り交ぜられた傑作です。19世紀の世界と、約200年後の現代の同じ部屋をいったり来たりします。時間についての考察と自由意志についてのセリフが素晴らしかった。

8、タイムトラベル ジェイムズ・ グリック

「アルカディア」の翻訳が出てるのを知ったのは、この本を読んだから。あ、また小説ではない。でもいいか。タイムトラベルを題材とした古今東西の小説について色々書いてあります。1895年に発表されたH・G・ウェルズ「タイムマシン」を皮切りに、アインシュタインの一般相対性理論やニュートンの物理法則、エントロピーの増大の話などが織り交ぜられます。

近年まで、そもそもタイムトラベルという概念自体がなかったことや、時間については今もってほとんど何も分かっていないというのがよくわかる本です。

9、母の記憶に ケン・リュウ

又吉さんが面白いと言って、一躍人気になったケン・リュウの日本発売の2作目の短編集。あんまり誰かが面白いというと読みたくなくなる天邪鬼性質なので、ほとぼりが冷めたころにひっそり読破。ついでに今出ている『蒲公英(ダンデライオン)王朝記』までも読破。とても面白かったので人間素直が一番だと反省しました。

10、あしながおじさん ジーン・ ウェブスター

最後はこれ。昔ダイジェスト版みたいなものを読んでかれこれ30年以上経て読み直す。昔は少女目線、でも今度は完全におじさん目線。全て手紙形式で話が進みます。実は手紙書くのが苦手なので、感心しまくりでした。これは面白いです。

以上、2018年(気が早いver)面白かった10作でした。
来年も100冊目指して頑張ります。

で、最後に宣伝です。

しまもと秋の古本さんぽ2018

■日時:10月27日(土)28日(日)10時〜15時頃

■場所:阪急水無瀬駅周辺の予定

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